2011年 03月 30日
以前の記事で「水中マクロとHDRの相性は良くない」と書きましたが、稀にHDR栄えする被写体が有るもの事実でして。いろいろ試した中でこのホタテツノハゼはけっこうハマる被写体でした。RAW単写から1EV差で5枚現像し、いつもは潰れ気味になっているディテールと体色をPhotomatixで持ち上げてみました。Topaz Adjustは不使用です。いかがでしょう? しかしまあ、試行錯誤を繰り返してみてほとんどの水中マクロがHDRに向かない事を再認識した次第です。今日はどうしてどうして相性が悪いのかを考えてみました。 <私見:水中マクロがHDRに向かない理由> その1.被写体が向かない 何はともあれこれが最大の悩みどころかと。魚を始めとした被写体のほとんどがHDR(というかトーンマッピングでの局所コントラスト調整)との相性が良くないのです。食べ物や花がHDRに向かないのと一緒ですね。「極悪目線の劇画調キンチャクガニ」、「ゴ○○リ風ユウレイモヅルカクレエビ」、「若くして可愛らしさを失った哀れなスズメダイyg」・・・こういったキワモノが見たい人はぜひリクエストを。 その2.輝度差が小さい 光(特に長波長)の減衰が大きな水中は「暗くて青っぽい世界」なわけで、マクロ撮影においては一般的にストロボ等の光源を用います。自分でライティングするわけですから、HDRが本領を発揮する輝度差の大きい状態ってほとんど無いんですよね。 その3.マルチショットを得にくい 被写体が動き、自分も揺れて、おまけにストロボ光を使用する水中マクロ撮影においては露出違いのマルチショットを得にくい。この点に関してはRAW単写からの擬似HDRもしくはISOブラケットという手で逃げる事もできますが。 その4.マクロはHDRに不向き ハイレベルな先人たちのHDR作例を見てもワイドが主体なのは明らか。マクロ(≒被写界深度が浅い写真)はボケている部分に関しては細部のコントラストが低いため、トーンマッピングでの局所コントラスト調整があまり意味をなさないものと思われます。マクロでもカリッとパンフォーカスで撮れれば違った世界が見れるかも。 その5.ハレーション 浮遊物によるハレーションが発生していた場合、トーンマッピングによって非常に目立つようになってしまいます。ゴミ取り地獄です。 なんだか全否定のように書いてしまいましたが、HDR本来の目的を考えると「黒潰れ・白飛びしやすい被写体」に関しては使い道が有ると思っています。今回はちょっと派手気味にHDR化したホタテツノハゼを紹介しましたが、今後はもう少しナチュラルなやつも試してみます。 以上、水中マクロとHDRについて考えてみましたが、自分は水中でワイドは撮らないのでそっちは未知の世界です。少なくともマクロよりは可能性があると思うのですがどうなんでしょう。どなたか考察を!(もしくは水中ワイド素材の提供をお願いします~) ※原画となったJPEG撮って出しのホタテツノハゼはこちら(クリックで拡大)↓ ←クリックして頂けると励みになります。
by mochitake_2nd
| 2011-03-30 07:47
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